2018年05月29日 思い出 八田 真太 さま (平成14年卒) 私の立命館大学でのチャレンジに満ちた学生時代は今から約20年前にさかのぼります。1996年4月に経済学部生として入学し、留学中の休学期間を含めて合計6年間立命館大学経済学部にはお世話になりました。入学してからまず感じたのが、その自由で活動的な気風でした。出会う先輩皆さんが自身のアイデンティティや目標をしっかりと持った学生でもありながら社会人予備生とでも言うべく個性に満ちたまた活気のある方々ばかりでした。 社会に出たときに少しでも役に立つであろう経験等を得ようとビジネスパーソンには付きもののゴルフをやってみたいと思い、入学して間もなく体育会ゴルフ部に入部させて頂きました。サークルと体育会のはっきりとした違いもわからぬまま、「体育会の方がしっかりと練習できる。」という説明を受け、体育会の方を選んだのでした。早朝の球拾いに始まり、授業の後の練習、週末のゴルフキャディーのアルバイト、先輩とのミーティング等新入生の私の目にはすべてが新鮮でまた厳しいものでした。立命館大学の体育会と言えば同じゴルフ部でも他大学に比べ特に礼儀作法に厳しかったようで、他大学とラウンドしていてもラウンド中のマナーや挨拶等に対して、「立命って先輩に対してそんなことまでするの?ウチはそこまで厳しくないよ!」等と驚かれることも少なくありませんでしたが、卒業後社会人としてゴルフをし、色々な会社の方や立場の方とゴルフさせて頂くに際し、当時それこそ身に滲みて習慣になったゴルフのマナーや先輩への接し方等が私自身の社会人としてのイメージにプラスになり、仕事やプライベートでの色々な場面で役に立っていることは確かです。 また文武両道、学業以外の社会経験やその他の活動に積極的な校風でしたので、留学等がし易いような環境や制度も数多くありました。私自身も二年に渡る台湾での語学留学を経て、留学中に得た知識や経験から将来の就職・人生について民間企業に勤めるという選択肢だけでなく、公務員や起業ベンチャー等自分の人生設計についての色々な新しい考えが生まれました。そして、それを実行すべく卒業に必要な単位を3回生の時点ですべて取得し、自分がやってみたい活動に残りの1年を費やすことができました。 私が卒業を迎える2002年はちょうど『ロストジェネレーション世代』と言われ、バブルが崩壊し、銀行や大手の保険会社等の今まで絶対に潰れないであろうと言われていた業種で経営の統廃合や倒産等が相次ぎ、「自分の将来は自分で築かなければならない」という思いに駆られた時代でした。ですでの、公務員の勉強もし、また日本のホテルサービスや飲食サービスを海外に広めたいと思い、無償でホテルで働かせて貰ったり、地元の洋菓子屋さんで働かせて貰ったりし、自身の経験を積むことができた1年でした。特に洋菓子屋さんではオーナーから如何にして会社を経営し、利益を上げるかということを教えられ、経営者としての心構え等を実際に学べたとてもよい機会でした。 卒業までの一年で民間企業への就職・公務員試験の受験・そして海外での起業すべての選択肢を体験することができました。大学内の充実した公務員講座などのおかげで警察官採用試験にも合格することができましたが、やはり海外での起業の夢が捨てきれず、卒業後は単身中国に渡り、学生時代に得られた体育会での礼儀作法、ホテルで学んだホスピタリティーとその実践法や言葉遣い、そして地元の洋菓子屋さんのオーナーから学んだ経営の真髄を活かすことができ、中国で日本語学校を立ち上げ、以来10数年に渡り経営を続けることができました。日本語学校という教育業界への進出を選んだのも経済学部生として、授業に出ていたことが大きな要因でした。ある経済学の授業での先生の「君たち、在庫は悪やで!」という一言で在庫を持たないサービス業を選び、成功できたのだと思います。この一言を聞けただけで経済学部で学べてよかったと心底思っています。ですので、授業になかなか出ない学生さんがいれば、少し残念な気がします。是非積極的に授業に出て、自分の人生を左右する一言に出会ってください。 昔の経験や体験があるからこそ今の自分があります。ただ将来役に立つ経験や体験は自分が積極的に動いてこそ得られる“生きた”思い出です。私はこれからも将来の為にきっといつか役に立つであろう思い出を作り続ける為に積極的に思い出作りをしていきたいと思います。