2019年10月25日 NEWS 経済学部同窓会講演会 開催報告 立命館大学経済学部同窓会では、去る10月19日(土)、100周年記念オール立命館校友大会に先立ち、株式会社クロスエフェクト代表取締役の竹田正俊氏を講師としてお招きし、「ボーダーを超えて挑戦!京都から世界へ――3D臓器モデルが変える未来の診断」と題した講演会企画を開催しました。 竹田氏は、本学経済学部を1996年に卒業された後、アメリカ、カリフォルニア州に留学され、その経験を活かして、2000年に企業の試作品や開発に携わるベンチャー企業であるクロスエフェクトを創業。その質の高さが心臓外科医の目に止まり、医師たちの要望に応えて先天性心疾患を抱える新生児の手術治療のシミュレーションに不可欠な3D心臓を制作。多くの赤ちゃんの命を救う活動が認められ、経済産業省のグッドデザイン賞、モノづくり日本大賞、内閣総理大臣賞など数々の賞を受賞されてきました。 同窓生をはじめとした多くの聴衆を前に、竹田氏は、自らの活動業績が、京都という自由で特殊なコミュニティに依拠しているところが大きいことを強調され、京都の伝統的かつクリエイティブなビジネスマインドを「ぬか床」に例えられ、“Fusion”という言葉で表現されました。また、自らの起業とその発展のプロセスを振り返りながら、ドラッカーの経営哲学に徹底的に学んだことを熱く語られました。具体的には、社会に対する使命(ミッション)を貫くことで初めて経営は成り立つこと、クロスエフェクトのミッションは「どこよりも速く」試作品や3D臓器を提供することであり、この経営理念から、将来のあるべき姿から現在を考えるタイムマネジメントの思考の重要性を強調されました。さらに、こうした経営理念に依拠して開発された、3D臓器が新生児をはじめとした心疾患をもつ患者さんをいかに救うか、この技術が日本や世界に普及するためのオープン・ファクトリー戦略――魅せる工場が社会を変える――によって開かれる将来を生き生きと語られました。 会場からは、タイムマネジメントの理念を従業員がどのように受け止めているのか、この素晴らしい技術で世界に展開する上での課題は何か、などの質問が相次ぎ、限られた時間ではありましたが、竹田氏との意義深いディスカッションが展開されました。また、会場には制作された3D心臓の現物が展示され、講演会の前後で聴衆は展示物を恐る恐る手に取って3D心臓のリアルさと技術の高さを肌身で感じる貴重な機会をもつことができました。 この場をお借りして、魅力的で貴重なお話をいただいた竹田社長に厚く御礼申し上げます。 【参考】株式会社クロスエフェクトの公式HP https://www.xeffect.com/