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思い出

名越 文代 さま (平成12年卒)

 確か2010年前後のことであったろう。当時パソコン上でメール交換しながら留学生と交流する機会があった。在校生、卒業生、社会人学生、又、社会人学生の卒業生などが参加して交流が盛んだった。
 同時期ボランティアとして、直接留学生の授業に関わる機会があった。久しぶりに訪れたびわこ草津キャンパスは、新しい建物がいくつも加わって、様変わりしていた。自分が卒業した2001年は、広々としたキャンパス内に、建物が散在していた。今回訪れたセントラルアークも最近建てられたものである。近くには浅い長方形の池が二つあり、細波が立っていたのが印象的である。
 館内も不慣れな来坊者には落ちつかない異空間であった。中に入ると、女子学生が3人、韓国語で話し合いながらエレベーターに向かっていた 。

 私も後に続き所定の教室に向かった。授業の後半は 、数人ずつグループに分かれて、ディスカッションが行われた。私もその一つに加わった。隣に座った韓国からの留学生だと言う 男子学生は、一枚のレジメを示し、「自分は日本語に自信がないから一度読んでみて」と、言う。12箇所、気になるところを指摘すると、なるほどと、納得の様子だった。

退職後、社会人学生として、立命館で過ごしたご縁で、このような貴重な機会をもらえたと思い、大変感謝している。そんな時期に事務局より、ネパールから来日されている、大学院生の方を紹介された。来日間もない生活で奥様が家にこもりがちである。気落ちの日々だという。誰か話し相手があったらと、紹介されたのである 。英語は全然自信がなかったが、それでも、少しでも人助けができることならと、お出会いしてみることにした。「ネパールってどんなお国ですか」 と、聞いてみた。旦那様も奥様も口を揃えて、「レンガのような国」と。何しろ地図上で見ると、形がそっくりということだった。帰って改めて地図を広げると、正しくレンガのような形だった。
 2
回目に会った時、私は 新聞の折込広告チラシから 、りんごや魚 などの 写真を切り抜いて、小さな冊子を作って貼り付けてみた 。女の子は興味をもって「あいうえお」アップルのア。うなぎの「e e l 」イ。 全く自己流で申し訳ないが、そんな遊びをしてみた 。
 次に会った時に驚いた。日本語教本(インド人向けの日本語教本) が手垢で真っ黒になって、くしゃくしゃに折れ曲がっているのを持っていたが、なんと、いくつもの日本語が、するすると、女の子の口から飛び出るではないか! 私は女の子に 「あなたの名前教えて 」、「何歳なの」 と、拙い英語で尋ねたが、きれいな発言ではっきり「5歳です」名前は「。。です」と、答えてくれた。
あれから10年余が経ってしまった。可愛かった女の子もきっと、日本に興味を持つ立派な若者として成長しているだろう。